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タイトル | ブルー・ハイドレード 〜転移〜 |
| 著者 | 海原零 | |
| イラスト | 遠藤将之 | |
| 出版 | スーパーダッシュ | |
| 発売日 | 2005年1月 |
| 執筆者:jade | 評価:B |
| 上官に逆らったことがきっかけで故国から追われる身となった9人の士官候補生たち。囚われの身から抜け出したのも束の間、彼らが奪った戦艦デッカートは旧式で着替えも情報も不足している上に食料までも尽きてしまう。補給物資を求めて海中を彷徨う彼らは無謀にも強固な要塞に隠された最新鋭の戦艦を奪うことを画策するというのが今回のストーリー。 食糧不足によって迫り来る餓死の恐れを盾に密室による危機的状況を作り出しているのですが、傍観=即死だった前巻に比べてややスケールダウンした感があります。 前巻で指摘したキャラの印象が弱いという欠点ですが、トパーズ、ソリカ、エスニク、ジルといった戦闘や航海において発言力の強いポジションにいるキャラに関しては出番も多くある程度魅力が発揮されてきたものの、それ以外のキャラに関しては印象に残るようなエピソードが少なく、相変わらず魅力を引き出すまでには至っていません。今のところ人物描写にあえて時間を割かず物語を進行させている点は評価できますが、やはり主要人物が9人というのは物語のテンポを損なわず進めていくには多すぎる気がしますね。 「銀盤カレイドスコープ」において発揮された類稀なる表現力は健在で、戦艦同士の戦闘描写はそれなりに見応えがあります。しかしながら、銀カレにおいて描写が際立っていたのは(もちろん著者の優れた描写力もあってのものですが)フィギュアスケートへの強い関心の元に成り立っていたからであり、専門性という大きなアドバンテージに欠けるこの作品においてはそれなりの域を脱しえないのもまた事実。設定に関しては良く練られていて先の展開が気になるものの、現状のままではキャラの魅力・戦闘描写ともに良作と呼ぶにはもうワンパンチ足りないことは否めません。 それでも1巻に比べて確実に成長の跡がうかがえ、この先化ける可能性は十分あるでしょう。脇役に甘んじている主要人物たちのキャラが立ってきた時こそ、この作品の(著者)の真価が問われる時なのではないかと思います。 |
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